珈琲屋チャペックの本棚
本棚3



「ダーシェンカ」

今回はチャペックの作品の中で最も邦訳の多い「ダーシェンカ」です。
チェコでは1933年にダーシェンカが発行され、チャペックの死後1939年にはダーシェンカを含むチャペックが書いた犬と猫に関する文章をまとめた「私は犬と猫を飼っていた」が出版されました。日本でもダーシェンカのみの本と犬と猫に関するエッセイを全て訳したものがあります。

「ダーシェンカ」はチャペックが飼っていたイリスという犬が子を産みダーシェンカと名付けられるところから始まるユーモアあふれる子犬の育て方。やんちゃなダーシェンカに聞かせる御伽噺。子犬の写真の上手な撮り方について書いたエッセイからなります。そしてチャペック自身が書いた可愛い挿絵と彼が撮った見事なダーシェンカの写真が添えられています。

日本で始めてこの本が紹介されたのは1934年で、秦 一郎が英語から訳し昭和書房から出版されました。次が1958年、東京創元社から出た世界少年少女文学全集第2部第11巻「ほんとうの空色」に収録された小松太郎がドイツ語から訳出したものです。
その後のものは当本棚にコレクションがありますので写真付で紹介いたします。


1 ダアシェンカ
-ある子犬のくらしから-

翻訳者:小川 浩一
出版社:講談社
発行年:1981年

和田誠の装丁
2 ダーシェンカ

翻訳者:供田 良輔(監訳)
出版社:新潮社
発行年:1995年

ダーシェンカをIとIIに分冊
3 子犬の生活
ダーシェンカ II
 

翻訳者:供田 良輔(監訳)
出版社:新潮社
発行年:1997年

チャペックの紹介を写真付で
4 ダーシェンカ
あるいは子犬の生活

翻訳者:保川 亜矢子
出版社:SEG出版
発行年:1995年

チェコの第5版のカレル・タイゲの装丁を踏襲

解説:千野栄一
ダーシェンカのポストカード付

5 チャペックの
犬と猫のお話

翻訳者:石川 達夫
出版社:河出書房新社
発行年:1996年

「私は犬と猫を飼っていた」のチェコ語からの本邦初訳
6 犬と猫
カレル・チャペック
エッセイ選集3

翻訳者:飯島 周
出版社:恒文社
発行年:1996年

「私は犬と猫を飼っていた」の全訳

付録に貴重な資料あり

7 ダーシェンカ
あるいは子犬の生活

翻訳者:保川 亜矢子
出版社:メディアファクトリー
発行年:1998年

内容は4と同じだが装丁はチェコ初版のカレル・タイゲのものを踏襲
8 子犬の生活
ダーシェニカ

翻訳者:小野田 若菜
出版社:ブロンズ新社
発行年:2003年

監修:ペトル・ホリー
題名は発音表記にこだわり敢えてダーシェニカに
※2.3.5.は文庫もあり。
今回の紹介にあたっては各本のあとがき、解説を参考にいたしました。

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