ポケットの中のシネマ
お気に入り映画の紹介コーナー
<その3>

今回はトリック撮影の父といわれるチェコアニメの巨匠カレル・ゼマンの作品を紹介します。


「クラバート」
チェコのアニメは世界的にも有名でトゥルンカを始めティールロヴァーなど多くのアニメーション作家がいます。アニメの世界はマニアックなファンの方も多いですし、撮影における技術的な事もいろいろ有るようで、中途半端な知識で偉そうなことは言えません。ここでは簡単に「クラバート」の内容について紹介するに留めておきます。
「クラバート」はチェコ生まれのドイツ人作家オトフリート・プロイスラーが1971年に出版した児童文学の傑作を切り絵アニメで映像化したものです。
少年クラバートは夢に誘われるままに村はずれの水車小屋の見習いとなり、過酷な労働を強いられる一方、親方から魔法を習うことになる。ある日清らかに歌う少女に出会い水車小屋を出る決心をするクラバートだが、それには親方と対決しなければならない。こっそりと魔法書を読み、力をつけたクラバートだが親方の罠に嵌ってしまう。絶体絶命の危機を救うのは自由を求めるクラバートの信念に答える少女の愛だった。
ハリー・ポッターや千と千尋の神隠しにも影響を与えたと思われる原作の面白さとゼマンの見事な表現力が結実した傑作です。ゼマンの作品には他にも「悪魔の発明」、「盗まれた飛行船」、「水玉の幻想」など傑作が数多くあります。今回紹介したクラバートのDVDにはゼマンの処女作の人形アニメ「クリスマスの夢」も収録されています。
<1977年 チェコ映画 73分>

脚本・演出:
美術:
撮影:
音楽:

カレル・ゼマン
カレル・ゼマン、ルドミラ・スパーレナー
ボフスラフ・ピカルトゥ
フランチシェック・ベルフィーン


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